BOOK:図解入門 よくわかる最新要求定義実践のポイント
図解入門 よくわかる最新要求定義実践のポイント―“曖昧さ”と“不確実性”を仕様化するために (How‐nual Visual Guide Book)
- 作者: 本園明史
- 出版社/メーカー: 秀和システム
- 発売日: 2006/12
- メディア: 単行本
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教科書的なアプローチではなく、あくまでも現場からのアプローチに拘った要求開発の実践本という位置づけ。
あくまでも現場に拘った本なので全体として体系的にまとめられているとか、そういったことは期待するべきではないが、現場の知恵として現場で使えるようなチェックリストも多数あり、有用な本ではないかな?
図解入門ってことで持ってれば箔が付くって装丁ではないのが残念だが(笑)
内容的にもズブの素人向けってことは無いと思うんだが、何故この装丁にしたんだろう?かえって潜在読者を狭めているような気がする。
あと、現場での活用を意図しているからだとは思うけど、内容として要求開発とは直接関係の無いエリアについても区別せずに書かれているので、BABOKとPMBOKの知識エリアをちゃんぽんしたような内容になっているのは好みが分かれるところかも。
現実としては「私はビジネスアナリストでござい」とか「俺はPMなので要求の収集はお前の仕事だろ」みたいなマインドばかりではまわらないのは確かだと思うので、個人的には嫌いなアプローチではない。
ちなみに、著者のスタンスとしては要求開発はソフトウェア開発そのものとちがって工学的なアプローチは行えない、と言い切っているように読み取ったが、自分自身はこのエリアについてもまだ工学的なアプローチを諦めているわけではないので、現場目線と工学的な目線の双方をミートインミドルですり合わせるための模索を続けていきたいと思っている。
あと、個人的にはSWEBOKのエリアだって、まだ論理だけでやっていけるほど十分に成熟しているとは到底いえないと思っているので、この著者が言うような要求開発と設計の考え方の違いはそれほど大きな断絶ではないのではないかな*1。
*1:著者のいうように、設計とコーディングの断絶に比べると、要求開発と設計の断絶はより大きいとは思うし、カバーするエリアも異なるとは思うが、工学的アプローチの適用範囲と言う意味での断絶はそれほど大きくないのでは?って意味で。