BOOK:武器としての交渉思考
- 作者: 瀧本哲史
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/06/26
- メディア: 新書
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お久し振りの更新で、またも読書ネタ。
所謂ビジネス書とか啓蒙書の類だし、文体もある意味独特なので好き嫌いは分かれるところかも知れない。
内容を一言で表すならば、交渉に関する入門書。
若干、タイトルが挑発的に見えるかもしれないが、極めてオーソドックスで基本的な考え方が書かれているので、タイトルが気に喰わなくっても読んで損は無いと思う。
この著者については、今まで「武器としての決断思考」(ISBN:4061385011)、「僕は君たちに武器を配りたい」(ISBN:4062170663)を読了しているが、3冊を通して「"社会で武器とできる知的なナニか"を"これから社会に出るような若手"に伝える」ことが一貫したテーマのようなので、敢えてタイトルにメッセージを込めているんだろう。
本書のなかで気になったキーワードを自分自身の為に列挙するなら以下のようになる。
- ロマンとソロバン
- 相手の利害
- 「バトナ」(Best Alternative to a Negotiated Agreement)
- 非合理的な相手の6類型
- do your homework
こう書き下してみると、本書の各章にキレイにマッピング(ロマンとソロバンは1章、相手の利害は2章、バトナは3章、非合理的な相手は5章、宿題は6章)*1されている。
各章に1つだけ残るメッセージを入れるあたりは元コンサルっぽく、流石の文章構成力と言うべきか。
全体としてこの本(シリーズの前2冊も同様だが)は自身の中で高評価なのだが、著者も最後の章で強調するように、結局は「Do your homework」。
カリスマを求めるだけではなく、自分自身で乗り越えていくための武器を手に入れたのなら、この本(や著者)をカリスマとして見てはいけないってことだけは肝に銘じておこう。
蛇足
因みに、交渉系の本では"ビジネス・ネゴシエーション入門―「聞き上手」な日本的交渉術"も、かつての自分(2011年8月時点)は気に入っていたらしい。
- 作者: 麻殖生健治
- 出版社/メーカー: 中央経済社
- 発売日: 2006/10
- メディア: 単行本
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蛇足2
更に蛇足でいうと、「武士道的交渉術(ISBN:9784426104474)」は最悪に気に入らなかったらしい。
- 作者: 石橋秀喜
- 出版社/メーカー: 自由国民社
- 発売日: 2007/12/01
- メディア: 単行本
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当時の自分のメモだと「ぜんぜん武士道と関係ない。この筆者が武士道って言葉を使いたかっただけだな。唾棄」とのこと。
*1:因みに、アンカリングと譲歩(4章)は今の自分には少し高度すぎる。