BOOK:これからの「正義」の話をしよう
今日読了したというわけではないので一寸ズルではあるんだけど、過去の読書記録を見直していて気に入った本のひとつではあったので、簡単にメモを残しておく。
基本的には、功利主義者とリバタリアンとカントと目的論者との相食む争いの物語。
最初の功利主義者とリバタリアンの考え方は良く分かったんだけど、コノ人自身の信条はアメリカ共和党的な目的論らしく、そこに至るまでの道のりで迷子になってしまった。
モラルとか正義とか真実とかそういった言葉に万人が認める共通のナニカがあると信じるか否か、結局のところはそういう信条の問題に行き着くということで、そういう信条を正義の前提とするべきではないと信じるか否か、そういう信条の無限ループ(というか、breakされない無限の再帰構造とでもいうべきか。哲学者ならばそこで無限の退行とでも言うのだろうが。アプリオリなナニカを信じるならばそこにbreakを置けるのだけどとしばし考える)。
ちなみに、NDLではこの本をNDC9:311.1(政治>政治学.政治思想)として分類しているので、哲学の分類には入らないし、それで正しいと思う。